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三味線は湿気(水分)と熱気が禁物です。ですから次の事に注意してください。
1)三味線は動物の皮をのり(餅粉を水で練ったもの)で張りつけております。
他の接着剤では皮を張ることができないからです。美しい音色を出すために皮を限界まで引っ張ってありますから、少しの水分又は熱気でも接着が緩み胴から皮が剥がれてしまいます。
2)三味線の保管は湿気の多いところや熱気のある場所は避けてください。特に直射日光の当たるところは禁物です。
3)熱気の強い車の中では10分間も保てません。(エンジンを切った駐車の場合)
特に夏場の車中ではエアコンを効かせて三味線に熱気を与えないよう注意してください。
4)三味線を弾く場合、膝や腹部の湿気「汗」が裏皮に当たり、胴から皮が剥がれる恐れがありますので特に夏場は汗に注意してください。湿気を吸った場合は乾いた布で擦る様に乾拭きして湿気を蒸発させてください。
5)保存には桐材を使った箱に入れておくことが望ましく、桐芯ケース、桐立箱、桐たんすなどを用います。
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我が国に渡来して四百年の伝統を持つ三味線は、その間数多くの先人たちの苦労と知恵によって種々改良を加えられ現在のような立派な日本楽器をして完成されました。わずか三本の糸から弾き出す優れた美しい音色と情感は世界に比類のない素晴らしい「日本の音」であります。
しかし如何に素晴らしい音でも皆様の扱い次第では音色が止まります。
それは三味線は生きものであるからです。
1)三味線の音色は皮の張り方で決まると云われ、職人は皮の限界点「やぶれる寸前」まで張り上げます。
これは高度の技術が必要で、これで職人の真価が問われると云われています。そこでどんな高価な三味線でも皮の厚さ、張り方次第では美しい音色は出て来ません。
2)三味線にはサワリ音と云うものがあり、1の糸より発する振動音「バイブレーション」が正しい音を発生しなければなりません。サワリがついているか、いないかで三味線の音は生きもし、死にもします。
サワリが良くついている場合には独りでに音に余韻が生まれ、曲は生き、映え、聴く者をして陶酔の境地へ誘うことができます。ですから触りは三味線にとって一番大切です。
では良いサワリとは一本調子の余韻ではだめです。例えて言いますと、波が押し寄せてくるような余韻(ガーアン、ガーアン、ガーアン)このようなサワリが良いサワリです。
この良いサワリがつきますと、2の糸、3の糸に共鳴して素晴らしい音に変わります。
3)三味線は3本の糸だけで美しい音を出しますから、その糸が古くなったり、伸びきったり、糸が毛羽立っていると美しい余韻は生まれません。新しい糸は十分な弾力を持っており、これが美しい音を生み出します。稽古用でも糸が切れるまで使うことは避けましょう。
4)三味線は皮の張り方で音に関係があると申し上げたように皮が緩んでくると美しい音色が出ません。その時は駒の位置を下のほうに下げてみてください。それでも変化がない場合は皮が緩んでますので時期をみて音色が落ちてきたら張り替えるようにしましょう。
5)三味線は生きものと申し上げましたように永く弾かずにおきますと音色が止まります。
急に美しい音色を要求しても無理です。人間でも発生練習をしなければ良い声が出ないのと同じです。
6)楽器に対していつも愛情を持って丁寧に取扱い、常に使用するよう心がけます。
弾いている間は音もよく鳴り、皮が振動し、空気に触れますので、皮が破けることも少ないのです。弾かずにしまっておくことは楽器の為によくないことであり、皮が破けたり、胴から剥がれるのはこの状態の時によく起こります。
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胴は、安い花林棹から紅木の高級品に至るまですべて花林材を用います。木として木質が柔らかく、音調を出すのに最も適しているからです。胴には丸打胴と綾杉胴がございます。綾杉胴とは音質効果を高めるために胴の内側に綾杉彫りをを施してあり、一本綾杉と子持綾杉の2種類ございます。子持ち綾杉は一本綾杉の上に更に一本綾杉を彫ったもので、子持ち綾杉の方が更に音質効果を高めます。花林や紅木の並物には丸打胴を、紅木金細等の高級品には綾杉胴がつけられます。※和楽器市場の金細三味線の綾杉胴はすべて子持ち綾杉胴です。
※胴に関しては接着剤は膠(ニカワ)ではなく、高性能な化学接着剤を使用しております。
膠の特長としては、非常に高い接着力がありながら、熱を与えることで接着面を容易に分解することができますので、棹の接着剤としては向いています。しかし胴の接着剤としてはあまり向いていません。
なぜかと申しますと、皮を張る工程の中で胴を温めるからです。
皮を張る際には皮を張りやすく、、また伸びやすくする為に皮自体に湿しを入れます。
皮を湿した状態で作業を進めていくのですが、最終工程の際に皮に熱気を与えて水分を短時間で飛ばします。膠は熱に弱いですので、この時に膠の成分は壊れて接着力が弱まるのです。この作業を繰り返せば当然少しずつ接着力は弱まり、皮を張っていることで常に強いテンションが胴にはかかっていますので、何れは胴の四隅に隙間が生じてきたり、胴がバラバラになったりと不都合が生じてきます。
高性能な化学接着剤がなかった時代は、すべて膠を使用しておりましたが、このような症状を防ぐ為に今では高性能な化学接着剤を使用しているわけです。
すべての接着面に膠を使えば良いという訳ではなく、膠が適している箇所には膠を、高性能な化学接着剤が適している個所には高性能な化学接着剤を使用することが三味線にとっては最も大事になります。
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↓丸打胴(花林や紅木の並物に使用) |
↓子持綾杉胴(紅木金細等の高級品に使用) |
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なぜ、綾杉胴は鳴るのか? |
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※右の図は綾杉彫りを施した胴の実態を示したものです。
まず、撥で第一図発音箇所を「テーン」と弾いたとします。音波は発音箇所を中心に胴全体に直進します。直進した音波は、胴の綾杉に当たり、直ちに反射して折り返られます。この綾杉に当たって折り返される時に、音波は綾杉波状音波に変化し弱くなり、微震動となって(音の細かい動き)となり元へ戻ります。弾かれた音が直行音ではなく、微震動であればあるだけ良い音を感じるのです。これが図のように5本の線ではなく、全体的に音が綾杉に当たり、折り返されるのですから音響学の理論をまつまでもなく、綾杉彫りのよさにはうなずけることと思います。 |
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※平ほぞ
一本のほぞだけで、溝がありません。
※一枚溝
一本のほぞに平行して溝が作られたものが一枚溝です。
※二枚溝
一本のほぞの両側に、二本の溝が作られて、棹の継目を安定させるもので、高級品に施されます。
金細とは、三味線の最高級品を表現した名称で、トチの入った紅木棹の継手に、金の金具を埋め込んで仕込みます。
(弊社の紅木材の三味線はすべて二枚溝になります。) |
※二枚溝金細
継手に金が埋め込んであります。 |
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↑東サワリ付 |
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↑東サワリなし |
※サワリとは音を鳴らしたときに「ビーン」というカラオケで例えるとエコーのようなものです。
倍音成分を増やして音色に味を付け、響きを延ばす効果があります。
東サワリは主に民謡三味線や津軽三味線などに用いられます。長唄、地唄、小唄三味線などはこの東サワリは付いておりません。東サワリは裏のネジを回し、芯を上下させ一の糸に触れさせてサワリの均衡を保ちます。
民謡三味線や津軽三味線に東サワリが付いていないと本来の音質がいたしません。
長唄三味線や地唄三味線、小唄三味線などはサワリ溝に一の糸を触れさせてサワリを付けます。
サワリ音を綺麗に付けないと伸びのある音色がしないので、サワリ音は慎重かつ丁寧に調整して最大限にサワリ音をつける必要があります。調弦をする上で最も大事です。
・・・上駒の形状について・・・
東サワリが付いている三味線と付いていない三味線の上駒の形状が異なります。
東サワリ用の上駒は1の糸、2の糸、3の糸すべてが上駒の上に乗りますが、東サワリが付いていない三味線は1の糸は直接木に触れされてサワリ音を発生させますので、2の糸、3の糸のみ上駒の上に乗ります。たまにお客様から「1の糸の部分の上駒が切れてなくなっている」や「上駒の幅が短い」、「1の糸だけが上駒の上に乗っていない」などの問い合わせがありますが、東サワリなしの三味線の上駒はこれが正常です。
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左から 黒檀素六・黒檀面取・紅木面取・紅木素六・象牙面取 |
象牙調
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鼈甲調貼り |
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糸巻きはすべてが六角で、材質は、黒檀、象牙、紅木などですが、座金との密着がいいので、どの三味線にも黒檀が最も適します。
黒檀の糸巻きには(寿六)と(面取り)があり、(寿六)の糸巻きは六角そのままで、糸の巻き上げに手が滑らないため糸巻きとしては上々です。「面取り」は六角のかどを取り丸くした糸巻きです。他に宇柄や宇柄面取りなどの形状もございます。
象牙の糸巻きは舞台では”ヒン”がよくてよいものですが、よほど仕込みを上手にし、中に押し込むようにして回さないと戻りがちです。
(戻るというのは、弾いているうちに糸巻きが独りでに緩み、一挙にカラッと糸が戻ってしまうことです)
これは、象牙の生地が堅くて、黒檀などのように座金に馴染まないためです。
紅木の糸巻きは座金に当たる部分は、黒檀の糸巻きと同じで、それ以外のところは芯を残して、それに紅木を六角に張り合わせ(面取り)したものです。
その他に、アクリル(クリスタル)や象牙調(合成樹脂)などもございます。
左写真のように糸蔵(内側の木の部分)にピッタリと糸が付いた状態だと、糸巻がそれ以上金具の中に入り込まないので、糸巻が緩みやすくなります。必ず右写真のように少し隙間を開けて調弦を完了させてください。
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◆皮の重要性について
皮の重要性についてご説明いたします。
三味線の命ともいえる箇所が皮です。皮質、張り方などで音質は大きく変わりますので皮は非常に重要な役割を持っております。三味線の品質が素晴らしくても皮の質、皮張りの技術が伴ってないと、いくら品質の良い三味線でもよい音色は絶対に鳴りません。
皮張りの技術は、一枚一枚違う皮の厚さ、質を見ていかに強く張れるかということです。
弊社では今まで幾社もの皮を使用してきましたが現在使用している皮が最も良い音の鳴る皮でございます。この最高品質の皮は皮張り技術の高い全国で数社の三味線店のみが仕入れることのできる皮で、弊社もその中の1社でございます。
[皮の種類]
猫皮「四つ」、犬皮、合成皮。
◆皮の裁ち方
猫皮(四つ)は、背から裂いて、左右に拡げて仕上げますから、乳が出ます。乳は(上四つ)と(下四つ)にわかれます。(上四つ)とは皮の上部、(下四つ)とは皮の下部を言い、どっちが良いかというと(上四つ)のほうが、皮の厚みが平均していてよいのです。(下四つ)のほうは、皮の厚みにむらがあります。基本的に(上四つ)は表皮に、(下四つ)は裏皮にします。
※弊社は裏面四つ皮にも「上四つ」を使用しております。
犬皮は(けんぴ)は猫皮とは逆に、腹から裂いて、左右に拡げて仕上げますので、猫皮と違って乳がないのです。
◆猫皮と犬皮はなぜ音が違うのか?
猫と犬の皮の音の相違でまず挙げられる原因は
1)猫と犬の体の大きさの違い。
2)毛質の違い
3)毛の密集状態の違い。
が考えられます。
体の大きさの違いによって、皮の厚さが違ってきます。皮の厚みが厚ければ音は重く、厚みが薄ければ音が軽くなるのは当然です。毛質の違いは犬の毛のように太ければ、毛穴は大きく、音の発散がよ過ぎて、音の震動率は早く弱まります。
毛穴が細ければ細いほど、音の発散が遅く、胴内に於ける音の震動率は長く維持されるわけです。
毛の密集状態の違いは、皮のきめがいい(細い)、悪い(荒い)の違いで、根本は毛質が違うのと同じことですが、毛質が太ければ、毛穴が大きいのは当然で毛穴が大きいということは、皮のきめが荒いことです。猫の毛質は細いので毛穴も細く、皮のきめがよいのです。
このことが猫皮と犬皮の音の違いですが、猫皮の場合は、その毛穴が細いゆえ、そこを音が通過する際、皮にデリケートな震動を与え、それによりに柔らかい音色となって現れてくるのです。
四つ皮は長唄、民謡、地唄三味線の高級品に、犬皮は中級、初級用に主に使われます。
しかし、津軽三味線の場合は高級三味線でも犬皮を使用いたします。
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当店では皮屋から品質の良い一番皮を優先的に仕入れています。上質で繊維の強い皮を、他社にはない当社独自の紐掛け技術と作業工程により、皮を均等に限界まで張り上げ、三味線の音色を最大限に引き出します。
「安かろう悪かろう」ではいけません。当店では一切妥協のない皮の選定と、一切手抜きのない張替え作業により、全国のお客様から高い評価をいただき、高いリピート率を実現しております。
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三味線の皮は音色の生命線でもあり、最も重要な役割を果たします。
良質な皮を職人の技術によって最高の状態で張り上げることにより、三味線の持っている音色を最大限に引き出すことができます。
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弊社では最高品質の皮を長年の経験で培ってきた技術で丹精込めて張り上げ、お客様の三味線の音色を最大限に引き出します。
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注)三味線の音色を最大限に引き出すのは「極上皮」に限ります。 |
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皮の張りの状態(強さ)は、三味線屋によっても違いますし、雨天、晴天によっても音は変わりますので、微妙な音の調整まで追及される方は、駒の合わせ方によって最終的な音の調整をしなければなりません。例えば皮の張りが緩い場合は、軽い駒を掛けて、その駒を音緒寄りに若干移動させることによって、締まった音になります。
逆に、皮の張りが強い場合、晴天のために皮が乾燥してしている場合は、少し重めの駒を正しい位置に掛けるか、或いは駒を図のように胴の中央寄りに若干移動させて音の調子をいたします。
但し、駒の位置を移動させることによって勘所を割り出す標準距離(上駒と駒糸道までの距離)が変わることで、勘所(つぼの位置)も若干変わりますので、その点は演奏の際には注意してください。 |
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撥を当てるところは、勿論、撥皮の貼られているところですが、撥を当てるその箇所の少しの違いでも音にかなりの変化があります。図の点線は胴の経口(きょうぐち)の厚みを表し、撥皮上の黒点(3箇所)は変化する音の位置の表示です。
図の左黒点の箇所に撥を当てて弾きますと、音は小締めとなり、遠音はしません。これは胴の経口の上で弾くからです。象牙の撥先が欠けるようなことは大抵この箇所で弾いた場合です。
中黒点の箇所は、胴の経口を避けた、経口と胴空間の際です。ここで弾きますと、澄んだ、そして締まったよい音がします。
右黒点の箇所は左黒点、中黒点よりも音が大きく、弾き方によっては皮の音もして、いやな音となります。それは経口より大分離れて胴の中央に向かっているからです。太鼓の場合を想定してみても分かることですが、太鼓の際の部分を叩いては太鼓本来の音は出ません。太鼓は皮の中心を打ち、皮に響かせて大きな音を出すことが生命です。この太鼓の理屈と同様で、三味線で右黒点の箇所のような、胴の中心寄りに向かったところでひきますと、むやみと音ばかりが大きくなって、よくありません。
左図のように、響くところを3箇所挙げましたが、左黒点の箇所は音が締まり過ぎて響かず、右黒点は皮に響き過ぎて音が大きく、結局中黒点の箇所が、皮の音も適当で、冴えて、流儀により若干の差はあるでしょうが、一般的に一番よい音のするところと言えます。三味線の練習をされる方は、常に中黒点の箇所に撥が当たるような弾き方の習慣をつける事が肝要です。
※津軽の場合は他の三味線と違い、撥を前後させて音の強弱をつけます。 |
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弊社は創業90年というこの業界の中でも長い歴史を持っておりますが、現在はこの和楽器業界は昔のような活気はございません。
また、和楽器は2004年頃から学校の音楽の必須科目となり、以前のような活気が戻ってくるのではと業界内では楽観視しておりましたが未だに限定的です。
どうすれば三味線や琴を始めてくれる人が増えるのか、どうすれば昔の活気を取り戻せるのか・・・
ある業者さんは「無料体験レッスンをすればいいのでは」や「学校などでの講習などを増やせばいいのでは」等さまざまな意見がありました。
いろいろな意見がある中で弊社の結論は「楽器が高すぎる」ということに至りました。
やはり三味線や琴を習いたくても楽器の購入がネックとなり断念してしまう方も多いのではないでしょうか?しかし、楽器の価格を下げることは容易なことではない・・・
弊社が価格を大幅に値下げをしたのはインターネット販売を開始してからですが、それまでには次のような経緯がございました。
通常、「客数が多い(売り足が早い)と利幅は低く(低価格)、売り足が遅いと、利益率は高く(高価格)」という原則があります。
弊社では以前は地元のみでの販売を行っておりましたので他店と同様、売り足が遅い分、利益率を高く設定し高価格にて三味線や琴を販売しておりました。
もちろん三味線や琴は伝統工芸品でもありますので、その価値は高いです。
しかし、「楽器が全国的に高すぎる」、これでは絶対に和楽器業界は廃れていくと感じておりました。
弊社がインターネットでの販売を始めたのは今から約10年ほど前になりますが、販売地域が全国に広がった為に多くのお客様からご利用いただくようになり、今までよりも利幅を大幅に低く設定することが出来るようになりました。お客様には本当に感謝の一言です。
今でも地元のみで営業している和楽器店は売り足が遅い分、以前と変わらず利益率を非常に高くしている為に高価格なのです。
ただ、利幅を大幅に低く設定出来るようになったとはいえ、ここまで価格を下げる必要はあるのかと考えた時期もありましたが、少しでも多くの方に和楽器に触れていただき、その良さを分かっていただきたい、そして次の世代にその良さを伝えていただきたい、そうすれば以前のような活気が戻ってくるかもしれない、そう考え思い切って大幅な値下げに踏み切りました。
「楽器が高くて始められない」、「教室の月謝が高くて続かない」という時代ではなく、以前よりも楽器が安く入手でき、入門書やDVDなどでいつでも簡単に独学でも始められる時代になったように思います。これもまた弊社をご利用いただいているお客様のお蔭なのです。
今では楽器だけでなく付属品なども低価格販売を行っていることで同業者からの批判も非常に多いのですが、弊社では全国の多くのお客様に少しでも喜んでいただけるよう日々努力し、和楽器業界が以前のような活気を取り戻し、そして多くの方にその良さを分かっていただけるよう今後も低価格販売を続けて参ります。
そして邦楽界が少しでも以前のような活気を取り戻してくれれば幸いです。
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